2024 03 07
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混沌を遊び切る!PLAYFULの可能性。|PLAYFUL Lab.×PARTY

2023年春からはじまった「PLAYFUL Lab.」。日々の中にあそび心をテーマに、島の素材や廃材をつかって自由工作ができる場として、S BRICKのクラフトベースの一角をひらいてきました。 2024年からは、島の“自然”や個性豊かな“人”にもフォーカスをあて「さらなる可能性を広げていこう!」と、プロジェクトをリニューアル。第一弾のイベントとして、子どもから大人、外国籍の方や社会福祉にまつわる方々まで、さまざまな交わりを生み出す「プレイフルパーティ」を開催しました。

プレイフルパーティ

2024年2月10日(土)11:00 – 15:00
https://sumoto-brick.jp/playfulparty/

プレイフルな出会いの仕掛けと工夫

ウェルカムゲートでは、出会いを生み出すカードが手渡しされました。

これは会場に集うゲストやお店の方に渡せばちょっとうれしいことが起きるというもの。「なにかいいことあるかも♪」なんて気分にされられる仕掛けです。

ウェルカムゲートから少し進むと、丸や四角に切り取られたパネルが出現。これは「心の準備のパネル」と名付けられました。

にぎやかな会場に入るのってドキドキしますよね。そんな子どもや大人たちにむけて、ちょっと深呼吸して会場をのぞき見できたらと用意されました。緊張しつつパネルをのぞいて進みます!

会場の真ん中には「PLAYFUL Lab.」の象徴でもある、島の素材や廃材がつまった廃材棚が置かれました。淡路島の様々な事業者にご協力いただき、線香や畳の端材、配管、タイルなどの廃材が集まっています。

2023年から定期的に、幼児教育の専門家、こどもみらい探求社小笠原さんを講師にお招きして、子どもの可能性や創造性を引き出すイタリアの幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」を参考に自由工作のワークショップを実践してきました。

またPLAYFUL Lab.はこれまでも、子どもだけではなく大人も自由に集い手作りを楽しむできる場として育ってきました。

「PLAYFUL Lab.に集まっている素材が“廃材”ってことを知らない人が多くって。まだまだ廃材にするにはもったいない魅力的な素材ばかりなんですよね。ここにあるものだけではなくて、身の回りにあるもので表現し想像を広げる。そんなきっかけを今日はつかんで帰っていただけたらなって思っています」と小笠原さん。

会場の音や光も関係ない様子で、大人も子ども入り乱れて集中!盛り上がるパーティの真ん中で、いつも以上に熱中して自由工作。みなさんの頭の中には、どんなイマジネーションが広がったのでしょうか。

子どもも大人も国籍も、ボーダレスなゲスト

そして今回は新しい出会いを!と、年齢国籍多種多様な個性豊かなゲストが集ってくださいました。

まずは最年少のゲスト、小学生のもくべえ君による「もくべえSHOP」。つくったアクセサリーや雑貨、収穫から種取りパッケージングまで自ら手掛けた植物の種が並びます。

その傍らには、もくべえ君の父・岡田さんと母・サリーさん。自分たちで育てた藍で「藍フェイスペイント」を手掛けてくれました。

イギリス出身のサリーさんいわく、イギリスではお祭りやお誕生日にはフェイスペイントをして気分を盛り上げるのだとか。猫になったり、なんだかわからない模様を描いたり。いつもとは違う自分になって、パーティに溶け込んで楽しむ人たちが印象的でした。

隣のブースは、ベトナム出身のハインさんによる「バインチュンづくり」。イベント当日は、旧正月で言うと元旦。ベトナムではこの日をテトと呼び、新しい年をお祝いします。そのお祝いに欠かせないのが、ベトナム風の大きなちまき「バイチュン」です。

ベトナムでは家族でワイワイとバイチュンをつくって、大きな鍋の火の番をしながら年越しして、茹であげていくのだそうです。

ハインさんを中心に島に住まう海外国籍の方や日本の方が入り混じりながら、ワイワイとワークショップが盛り上がりました。

“PLAYFUL”な“おいしい”って?

今回のイベントには“おいしい”を届けてくれたゲストも。いつものメニューにはない、あそび心のある料理を持ってきてくださいました。

しいたけの原木をそのままを持ってきてくれたのはepi spaさん。木になるしいたけを収穫し、リゾットをつくるところまで。ふだん目にすることのない原木にみんな興味津々。特に原木しいたけは香りがよく、その香りまで一皿で味わえるようにと演出してくださいました。

スパイスカレー店mong curryさんは、カレーをより「PLAYFUL」にと、トッピングで遊ぶカレーメニューを準備してくださいました。サバ缶、たこ焼き、まさかのあんこやバナナと、自分では試す勇気のないトッピングまで!まさにカレーのように自由で魅惑的な企画で、ブースは賑わいました。

食のわさんが持ってきてくれたのはボロネーゼ。その場でパスタの麺を丸めたりのばしたりくくったり。粘土で遊ぶみたいにパスタを自由な形につくって楽しむコンテンツです。

大きさ長さも違う茹で具合の難しいパスタ。みんなが自由につくった麺をパパッとクリエイティブな一皿に。どの出店者さんも賑わいが絶えず、おいしく楽しい時間が続きました。

遊びの種も、多種多様!

さまざまなゲストが入り乱れるなか、個性的な遊びの種を持った出店者さんたちも会場を盛り上げてくれました。

淡路島の豊かな自然をフィールドにした遊びを教えてくれたのは、洲本市の地域おこし協力隊の園田さん。持ってきてくれたのは、火付け石や養蜂、魚釣りと気になる遊びがもりだくさん。「今度、洲本の海で釣り教室とかを開催したいなって考えてます」と園田さん。自然を生かした遊びのエッセンスが散りばめられていました。

そのお隣には自然農を営む風戸自然農さんと#OTA no RAKUGAKIさん。おふたりは5年前に淡路島に移住してきたご夫婦。奥様のやさしい人柄がにじみ出たお野菜ブース、ご主人が趣味で続けているイラストを、みんなと一緒に楽しめるようにと、スペースをつくってくださいました。

コーヒーのいい香りと落ち着いた空気を届けてくれたのは、Book&Coffee coyomiさん。自家焙煎のコーヒー豆のドリンクはもちろん、味のあるセレクト本がたくさん!くすっとおもしろいJINや、小説など、思わず立ち止まってしまう本が並びました。

会場にあたたかく彩りを添えてくれたのは、旅する花屋“りん”さん。ポンポンとかわいいお花は“りん”さんも好きというクラスペディア。会場の中を移動しながら「あれ?こんなところにお花が?」なんて小さな喜びを装飾してくださいました。

「PLAYFUL」の混在から、生まれるものは?

会場の奥には社会福祉協議会のみなさん。毎週金曜日に社会福祉協議会でひらかれている“わかくさカフェ”の出張です。

福祉なんでも相談窓口に、お菓子釣りや缶バッジづくりなどなど。この日のために社会福祉協議会のメンバーとイベントに向けて準備を進めてくれたのだとか。

社会福祉協議会の城田さんは「僕たちもイベントを開催したりするのですが、いつも同じ顔ぶれになることがほとんどなんです。こうして子どもや海外国籍の方など、多様なみなさんと、同じ空間で一緒に過ごし出会えることはとても貴重な時間。僕らの日常では想像もできない経験が生まれたと思います」と、話してくださいました。

そしてこのボーダレスな空間をひとつにまとめてくれていたのが、DJ&ダンスチーム。洲本の立ち飲み屋に集う3人組“ふぁーるぼーる”による音楽。そしてその音楽にのりにのってくれたのが、長田からやってきてくれたダンサー二人組。

子どもも大人も、国籍も障害のあるなしも超えて、自然に会場を巻き込みながら空気感を温め続けてくれました。

あらゆる人々が混在しながら、音楽やダンス、味わいや工作など、それぞれの得意分野を「PLAYFUL」に落とし込んだパーティ。

今回のパーティを企画したSBRICKの鹿内は「あらゆるものが混ざった“混沌”をパーティとして遊び切ることで、PLAYFULというあそび心の可能性を感じる機会になりました」とパーティを振り返りました。

参加してくださったみなさんや、ゲストのみなさんは、日常に「何か」を持ち帰ってくださったでしょうか。PLAYFUL Lab.はその種が芽吹く場として、みなさんの日常に機能していけばと考えています。ご参加くださったみなさま、ゲストのみなさま、ありがとうございました。またPLAYFUL Lab.を楽しみにいらしてくださいね。

PHOTO:YUUKA MOURI