さまざまな新しいはたらき方が更新され続ける現代、コロナ禍を経てそのスピードはさらに加速し続けています。
SBRICKは“島と人、人と人を紡ぐ交流拠点”。ここからさらに「はたらき方」のアップデートを提案できればと「Switch!!」をテーマにしたSUMOTO WORKATION WEEKを10日間にわたって開催しました。
後編は2日目に開催された、3組のファシリテーターによる「はたらき方をアップデートするコンテンツ」をレポートします。
「休息」は、はたらくことの一部
オープニングパーティー翌日の朝7時。参加者が集ったのは朝日まぶしい大浜海岸です。
ここでは「休息デザイン研究所」さんのファシリテートで、砂浜に素足になって感覚を解き放つところからスターㇳ。ウォーキング瞑想やストレッチで、ふだんの朝とは違う時間を過ごしていただきました。
10時からは会場をSBRICKに戻して「休息」に向き合うワークショップを開催。はたらくことについて考えることはあっても、休むことにフォーカスをあてることはなかなかありません。今回のワークショップでは自分のための「休息レシピ」をつくっていきます。
会場に象徴的に置かれた2m大のボード。まずはいくつかのグループにわかれて、都会と自然、心と身体の軸でそれぞれの休息を棚卸ししていきます。
走りながら休むこを考えるのは難しいように、はたらきながら休息について考える時間をもつのは難しいことです。ワーケーションという普段の自分と距離がある環境だからこそ、改めて自身の安らぐ瞬間を考えなおせるのかもしれません。
参加者のみなさんも、自分だけではなく他者からの新たなインプットを得て、新しい休息方法に出会えたよう。休息をあらためて捉え直し、はたらき方を捉え直す時間となりました。
世界のワーケーション事情にふれる
続いて午後からは、ワーケーションやデジタルノマドの研究を続ける松下慶太氏による「はたらくカタチ大捜査線」。各国のワーケーション事情を学び体験するワークショップがはじまりました。
コロナ禍の真っ只中にあった在宅勤務は、あくまでも「いつか戻るであろう日常との置き換え」でしかありませんでした。そんな自宅でのオンラインワークを、欧米では「Work From Home(WFH)」と呼んでいました。
そしてコロナ禍を経たいま、はたらく場所も、オンラインとオフラインの度合いも、どこでどのようにはたらくかはその都度選んでいくものへと変化しています。松下氏は「Work From X(WFX)」と呼べるこの状態にあることで「偶発的な新たな出会い」により接しやすいと話します。
ここで、いくつかのグループに分かれて「偶発的な出会い」を体感するプログラムが行われました。それぞれ色の異なるペンをもって、縦横自由に線を引いていく。さらに交差する線の中でうまれたブロックを塗っていく。
グループごとに俯瞰してみてみると、一つとして同じものはありません。当たり前のようですが、その場その時その人たちと「偶発的に生まれるなにか」を肌で感じることなりました。
自分自身がどんな仕事をするときにどんな場所ではたらくとパフォーマンスがあがるのか。それぞれに指標を持つことがスタンダードになり、そこで偶発的な出会いを重ね、新たな仕事を生み出していく。そんな可能性を大きく感じさせられたワークショップでした。
あるもの/ないもの、ポジティブにひっくり返そう!
最後のコンテンツは、富士通デザインセンターさんの松井 晶子氏 。7月に洲本市と富士通はワーケーションに関する協定を締結しました。そこで「富士通デザインセンター」では、洲本市でのはたらき方を模索するべく地域課題のリサーチを進めています。
今回は淡路島の中の人、そうでない人が多様に混ざり合い、それぞれの視点で「淡路島のワクワクする可能性」について話し合うオフサイトミーティング。題して「ポジティブノック・AWAJI」が二日間に渡って開催されました。
まず一日目は淡路島に移住・観光・交通にフォーカスをあて、あるもの、ないものについてまずは書き出してみることに。このワークのおもしろいところは、ネガティブな要素をおもしろくひっくり返して考えてみるところです。
例えば交通をテーマにしたグループでは、「車社会で歩くことがない」ことが挙げられました。これをポジティブノックしてみると「現状を活かして、自動運転の実験をすればいい」などのアイデアが生まれました。
二日目はフィールドワークが開催され、前日に出た課題や現状をリサーチしながらSBRICKにもどって施策を検討。年内に実証実験が執り行われることになりました。
その後、9/10まで間に法政大学の石山ゼミのゼミ合宿やネスレ日本株式会社とアップサイクル協会によるワーケーションリサーチと続き、SUMOTO WORKATION WEEKは10日間の幕を閉じました。
単にはたらく場所を変えるだけではなく、新たな関係性が自然と生まれ、それぞれのマインドもゆるやかに更新され続けた10日間。SBRICKを起点に心地いい連鎖が広がることを期待し、今後もワーケーションにまつわる企画やコンテンツを発信していきます。今後の取組もどうぞお楽しみに!